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ミクロヒストリー
ミクロヒストリーは、観察のスケールを意図的に縮小し、個々の人物、共同体、出来事、あるいは特定の文書を集中的に分析する歴史研究の方法論である。
概要
1970年代から1980年代にかけてカルロ・ギンズブルグやジョヴァンニ・レヴィらイタリアの歴史家によって展開され、大規模な計量史学の前提を再検討しつつ、個別事例の分析から得られる知見を示した。ギンズブルグの『チーズとうじ虫』(1976年)は異端審問記録を分析して粉挽き職人の思考を検討し、非エリート層を対象とする手法の一例を示した。この方法は個別事例を直接的な全体代表とみなすのではなく、スケール縮小という手続きを通じて歴史的考察を深める。
なぜ重要か
断片的な史料の解読や、社会的制約のもとでの個人の主体性に関する分析手法を提示した。これにより、社会史、文化史、歴史人類学において、証拠と推論、例外と典型の関係についての議論を促した。